常時50人以上の労働者を使用する場合、事業者が必ず誰かを選任しなければならない国家資格です。どのような事業場においてもです。衛生管理者には、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者、衛生工学衛生管理者の3種類があり、事業所の業種に応じて必要な種類が、事業場の人数に応じて衛生管理者の人数も異なります。オフィス系は第二種、それ以外は第一種が必要と思いましょう。自分たちの職場はどの免許で何人必要か、詳しくみていきます。
1.衛生管理者の免許の種類
- 第一種衛生衛生管理者
多くは国家試験に合格した者。
他医師・薬剤師・保健師は無試験で取得することができます。 - 第二種衛生管理者
第一種の試験範囲から有害業務を除いた国家試験に合格した者。 - 衛生工学衛生管理者
理工系の学校を卒業した受講資格のある者が都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を受講し、修了試験に合格するなど
2.選任の要件 [業種別 必要な衛生管理者の種類]
資格の種類が分かったところで、どの種類が必要かみていきましょう。
業種の区分 | 第一種衛生管理者、 衛生工学衛生管理者、医者など | 第二種衛生管理者 |
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業 | 〇 | × |
その他の業種 | 〇 | 〇 |
3.必要な衛生管理者の人数
表にまとめてあるので、事業場の人数から何人必要かチェックしてみましょう。
事業場の規模 | (最低限必要な)衛生管理者の人数 |
50人以上~200人以下 | 1人 |
201~500人以下 | 2人 |
501~1,000人以下 | 3人 |
1,001~2,000人以下 | 4人 |
2,001~3,000人以下 | 5人 |
3,001~ | 6人 |
業種と規模によっては専任の安全管理者が必要です。
業種 | 規模 | |
1 | 建設業、有機化学工業製品製造業、石油製品製造業 | 300人 |
2 | 無機化学工業製品製造業、化学肥料製造業、道路貨物運送業、港湾運送業 | 500人 |
3 | 紙・パルプ製造業、鉄鋼業、造船業 | 1,000人 |
4 | 施行令第2条第1号及び第2号に掲げる業種(1の項から3の項までに掲げる業種を除く) | 2,000人 |
衛生管理者の人数は事業場の人数によって何人必要かが変わってきます。そもそも事業場とはなんぞやですが、簡単に言えば店舗(営業所)、工場といった、事業を行っている場所のことです。東京の本社と大阪の支社は、別の事業場としてカウントします。本社100人、支社で50人働いていれば、それぞれ1人ずつ衛生管理者が必要ですね。
同じ敷地内だけど工場と事務所で住所が違う。足したら50人超える。衛生管理者必要?
⇒基本は同一の場所にあれば、1つの事業場とみられます。ですが、敷地が広かったり距離があって離れている場合は、別々の事業場とみられることになります。不安な時は所轄の労働基準監督署へ確認をとりましょう。
常時というのは、50人以上働く通常の営業日です。「うちの工場、今年はギリギリ49人だ!まだいらないか。」と考えるのはやめましょう。国家資格はすぐには手に入りません。50人以上になった14日以内に労働基準監督署に届けることが難しくなります。
※事業場の人数が常時10人以上50人以下の場合は、「安全衛生推進者」や「衛生推進者」という別の担当を設置することが義務付けられています。こちらは資格証は必要ありません。詳細はまた別で説明します。
4.資格試験の申込み
資格の申し込みは「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」が受け付けています。
試験日程は、地方をブロック分けした中心部で毎月行っていますが、出張試験もありますので、確認して期日に間に合うよう申し込みをしましょう。
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